ARCHIVE  ENTRY  COMMENT  TRACKBACK  CATEGORY  RECOMMEND  LINK  PROFILE  OTHERS
<< May 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
2013.06.15 Saturday

雑踏(改定)

雑踏

誰も彼もが見えないふりをしている
そこには眼をぶっ潰した痕 まっ暗い節穴が二つ
その底辺から吹き抜ける胡散臭い迷信めいた風音は
ヒューイヒョーイと鳴り響き
18禁よりも卑猥な言葉を吹聴し歩く

ショッキングピンクに近い愛や
パステルカラーに薄めた平和や
多数決で決めた正義

ヒーローが生まれてはここに正解があるとまくし立て
そこに殺到した多数決主義者は群れをなして偏見を常識と呼ぶ
信じる者の多い偏見は常識になり社会になる

そして一人
ただ人であるだけの個
唯一無垢の赤子が一人

一瞬の沈黙の内側 
雑踏の真ん中で繰り広げられるのはバースデー
響き渡る まだ野生の鳴き声

生まれた赤子もやがて大人になるだろう
幸も不幸も知るだろう
ロウソクの揺らめきを吹き消す度に暗闇をみるだろう

心の内を見る瞬間 思い出
見えてくるのは名シーンばかり
人生は喜劇
舞台にそびえ立つのは冷めきった建築物の様な孤独


この窓から見える49階建てのビルは沢山の草花を埋め立て出来た
その草花と同じくらい沢山の人々が住むためだ
何が悪い
何が良い
そんな話ではない

正解を探したくはない。と心を奥に奥にしまい
明日来なければ良いなと思えば
眠りについたらお終い

ではなく

やっぱりまた眼は覚めて 真っ暗な節穴を広げ
そうやって続く路上 人は泣き笑い歓び悲しみ
全てはたいそう騒がしく心ばかりが隠れ
世界はたいそう騒がしくそしてそれは美しかった


そこに意味など無いのだと
人生を考えてそう思う
そこに意味など無いのだと
ただその言葉だけ 優しかった

雑踏
いつか映画で見た 戦場に飛び交う銃弾のような人々の足音が聴こえる
雑踏
2013.06.15 Saturday

思考

生まれてから、死ぬまで
見守られて見守って
日々やはり老いていく
朽ちていくという程のドラマはそんなに無いけれど
老いていくという言葉には
皺があり
屈折した腰があり
堅くなった思想がある

成長するという言葉には
未来があり
夢があり
輝きがある

自分はどこにあるのだろう

そう考えるこの瞬間にも
やはり老いがあって成長があって
そこには時の流れが絶えずある

僕の一歩は誰かの誕生日であり
僕の一歩は誰か命日である

「あの日に帰りたい」はとうの昔に言わないと決めた
そして代わりに「生まれ変わったら」を考えた

生まれ変わったら
もう少しだけ
ほんのもう少しだけ
何も考えたくは無い

急がなきゃ 暇な程長い人生
急がなきゃ それくらいがちょうどいい
成すべき事は少ないが
成すべき事を成すためにかけ上がらなければならない階段は 細切れに 細切れに続く

生まれてから死ぬまで
全部やるのにちょうどいい長さ

2013.02.06 Wednesday

霧笛

打ちのめされた翌朝
静けさに腰を下ろして
君の声が聞きたくなって
コールの音をただ聞いていた

朝霞の様な視界に
もう迷子になって
道を探して歩くんだけれど
自分さえもみつからぬまま

進め 前が見えなくとも
闇雲の中に霧笛は響きます
進め 今日が儚くとも
闇雲の中に歌声は響きます

君がまだ夢中になって
布団の中 夢見てる頃
やっぱり声が聞きたくなって
コールの音をただ数えた

僕は未だ霧中に紛れ
空が晴れるのを待っていた
「今日こそ」「明日こそは」って呟きながら
昨日に置いてかれたところ

歌え 前が見えなくとも
闇雲の中に霧笛は響きます
歌え 自分が不甲斐なくとも
不様を晒し 歌って生け

2013.02.02 Saturday

夢の中 霧の中

打ちのめされた翌朝 静けさに腰を下ろして
君の声が聞きたくなって コールの音をただ聞いてた
朝霞のような視界に もう迷子になって
道を探して歩くんだけれど 自分さえも見つからぬまま

君はまだ夢中になって 布団の中 夢見てる頃
やっぱり声が聞きたくなって コールの音を数えていた
僕は未だ霧中の隅で 霧が晴れるのを待っていた
今日こそ 明日こそはって待ち侘びながら 昨日に置いてかれたところ

歌え 前が見えなくとも
闇雲のなかに霧笛は響きます
歌え 自分が不甲斐なくとも
無様でもそれでも歌唄いでいろ
2012.11.15 Thursday

喪失

 たった一度の喪失に 寄り掛かっているのです
それが一瞬の出来事か 長年の夢であったのか....
僕は今 尚立ち止まり 想ひ更けているのです

悲しいこと
悲しいかな

ただ 心地よいのです
2012.11.13 Tuesday

夜の海(仮)

海に向かう夜の事


車に乗って 自転車に乗って 夜は南を目指します

暖かさが欲しいのではなく 僕の住んだその街の南端に浜がありました


小さな頃は水たまりにざぶんと飛び込むのが好きで 雨上がりの下校途中 今考えると決して高くはない長靴のギリギリまでの深さを探し 水の中を歩いて帰った


大きくなったその後で 幾ばくかの日常を経たその後も やはり水辺に向かうのです


終着点はどこですか?


家を飛び出し 街を抜け 夜は海を目指します

何処までも続くこの街の 果てを見に行きたいのです


終わりが無いという事は とても恐ろしい事です

例えば衝動的に(悲しみか静寂か)居ても立ってもいられなくなった夜

行けども行けどもまだ続く 道路を想像してみれば

朝日が昇ってなお続く 道を想像してみれば

「この日々はまだ続くのか」と思うばかりで 慟哭さえも行き場を失ってしまうでしょう


海のある街が好き


この街の果てに着いたなら 音を立てぬよう腰を下ろし ただただそこに存在すれば 遠くに見える漁り火が 夜の水面に夜空を模して 世界の上下を反転させる 


それが僕の住んだあの町の 果ての風景


(未完)

2012.10.17 Wednesday

初秋の日

初秋の日




気がつけば季節の変わり目 つなぎ目を紡ぐように細い雨が降って

あの冬の日に越して来たこの街にも悲しいかな慣れ始めた

さっき久しぶりに いや初めて君への手紙を書いたよ

「元気に過ごしてますか?僕は 元気です。」と


「最近は東京と言えど、肌寒くなってきて僕にとっては過ごし易い季節になってきました。

昨日初めて、新宿駅に行ってみたんだけど大きなビルがたくさん、たくさん並んでいて人も一杯いました。

田舎者は上ばっか見て歩くって言われるけど そりゃそおだろう。 電光掲示板 歌舞伎町 僕より大きくて不思議なものばっかりだ 

こんなことを言ったら馬鹿にされるかも知れないけれど ビル風に吹かれたその一瞬のうち 本当に一瞬だけ寂しいって思った。

だからこうして、君へ手紙を書いている訳だけど、こんなトシでホームシックになるなんて思ってもみなかっよ。

ちなみに「こんなトシで…」の「トシ」は年齢の「年」と 街って意味の「都市」を掛けてみました。

これが僕が東京に出て来て唯一身につけたジョーク。 くだらない社交性ってやつです。」



ところで


なあ 友よ お前 覚えてるか? 

なあ 友よ 俺 こんなんだっけ?


手にした物事の数より失ってしまった物事の数の方が多い様な気がしてならなくて

大事な 大事な事さえも忘れてしまう様なバカ野郎になってしまった気がして

全部うまくいけばもと通りになる もと通りになるって言い聞かせて歩く

全部うまくいけばもと通りになる もと通りになるはずなんだって言い聞かせて歩く


初秋の日


そういえば 最近あいつどうしてる? 別に心配とかそう言うんじゃないんだけど

歳を取ってみて気がついた事がいくつかあって 「人はそんなに強くはないんだな」っていうのもその中の一つだ

あいつともよく話していたけれど この街ではやっぱり星は見えません 良くも悪くも明るすぎる街灯が 地上ばかりを照らすのです

夜空の下の 月明かりの下の ビルの下の ネオンの下の ぎらついた看板広告の下の 雑踏の中で 

そのまま自分が収縮して 消えてなくなってしまう様な 感覚に襲われて

急いで逃げ帰った部屋 真っ暗なワンルームの窓からは東急東横線の喧噪と共に月明かりが差し込んでいました


今夜は月がとても綺麗です 明日 台風が来るらしいけれどその前の静けさでしょうか

日中は子供達の声が響き渡る向かいの保育園の校庭を 今は風ばかりが走っています

揺れる高架線 無音のヘッドライト 遠くで点滅する高層ビル群の赤いランプの数々 

人工的な配列が立ち並ぶ光景 しかし 今夜は月がとても綺麗です


ところで



なあ 友よ お前 覚えてるか? 

なあ 友よ 俺 こんなんだっけ?

なあ 友よ 生きてくのってしんどいな

なあ 友よ 俺 こんなんだっけ



出会った人の数より失った人の数の方が多い気がしてならなくて

忘れてしまった事さえも忘れてしまう様なバカ野郎になってしまった気がして

諦めるべきところで諦めきれなかった僕はダメなんだろうかって

諦めるべき筈のところで諦められなかった僕はダメなんだろうかって


考えても考えても拭いきれぬ昨日の事 それでもやはり進むしかない衝動に突き動かされ

あの頃とは違った空の下を歩く


初秋の日 

Powered by
30days Album
PR